国土交通省は、建設業の許可業種区分を43年ぶりに改正し、解体工事業の新設を決めました。
今まで500万円以上の解体工事を行うには「とび・土工・コンクリート工事」の許可が必要でしたが、今後は「工作物の解体を行う工事」としてとび・土工・コンクリートから独立した業種となります。
増加する老朽建築物の建て替えなどに欠かせない解体工事。
公衆災害や環境への配慮で課題がある為、業種を独立させることで専門知識のある経験豊富な技術者を配置し、適切な施工管理を行うことで事故防止や課題解決に繋げようと考えています。
【経過措置】
解体業新設の施行日は平成28年6月です。
施行日以降に500万円以上の解体工事を施工する場合は解体工事業の許可が必要になります。
ただし、現在とび・土工・コンクリート工事業の許可で解体工事を行なっている建設業者は、引き続き3年間は解体工事業の許可がなくても解体工事を施工することができます。
経過措置期間を超えてしまう前に業種追加などの手続きが必要となるでしょう。
併せて、社会保険未加入業者に対しての対策も行われるので、業種追加や新規の際は加入手続きも必須となってきます。
業種追加や新規申請の手続きの詳細はまだはっきりしていませんが、元請けからの発注書、請書、契約書などは整理して保管しておくと手続きもスムーズに行うことができるでしょう。
また、会社を設立する際は定款に業種名を載せておくのも良いかと思います。
一式工事の許可を取得している業者は、解体工事も含まれるため、専門工事の許可を追加で取得する必要はありません。
【業種別の工事内容の区分】
「とび・土工・コンクリート工事」
解体工事は除外され、法面保護工事・切断穿孔工事・アンカー工事・潜水工事などが追加されました。
「屋根工事」
屋根一体型の太陽光パネル設置工事は屋根工事に該当します。
「電気工事」
太陽光発電設備の設置工事は電気工事に含まれます。また太陽光パネルを屋根に設置する場合は、屋根の止水処理工事が含まれます。
「解体工事」
工作物の解体のみを行う工事は専門工事に該当し、解体工事の許可を取得する必要がありますが、総合的な企画、指導のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、一式工事に該当します。